水の飲む量が増えた。猫の糖尿病について
2023.10.08
猫で飲水量が増えておしっこの量が増えた(多飲多尿)という症状は糖尿病、腎臓病、高カルシウム血症、甲状腺機能亢進症などが代表的な病気です。今回来院した患者さんである糖尿病についてまとめてみました。
どんな病気?
血糖値を下げるために必要なインスリンの不足や抵抗性により高血糖状態が持続し、様々な代謝異常を引き起こす病気です。犬も猫も中~高齢で多く発症します。
注意する症状は?
糖尿病で受診される方の主訴で一番多いのは「水をよく飲むようになり、痩せてきた」というものです。犬も猫も糖尿病になるとほぼ全例で多飲多尿が見られます。
他の症状としては、脱水・体重減少・白内障(犬)・進行すると糖尿病性ケトアシドーシスという病態になり食欲不振・元気消失・衰弱や死亡を引き起こします。
症状が多飲多尿だけの状態で見つかれば治療もスムーズに始められますが、このまま放っておくと食欲はあるのにどんどん痩せていき、元気もなくなりグッタリするようになってしまいます。元気が無いような糖尿病の子に関しては通常入院での集中治療が必要となりますので、多飲多尿が気になったらなるべく早めに(元気なうちに)受診するようにしてください。
病院での検査
血液検査により血糖値の上昇を確認、尿検査で尿糖陽性を確認、長期血糖マーカーの上昇がみられたら確定診断となります。あとは状態に応じて基礎疾患、合併症の有無をチェックしていきます。
治療内容
食事療法と注射によるインスリン補充療法が必要となります。猫や犬の糖尿病は飲み薬が反応しない糖尿病であることがほとんどのため、一日二回のインスリン注射が生涯必要です。
治療当初はインスリンの必要量を調べるのに数時間毎の血糖値測定が必要となりますので基本的には数日入院しての治療となります。昔は何度も採血して血糖値の測定が必要でしたが今は下の写真のように一度装着すると採血せずに測定が可能になりました。
ある程度のインスリン量が決まった時点で在宅でのインスリン注射を飼い主さんにしていただく形で通院治療に移行となります。
まとめ
糖尿病という病気は進行具合によって必要な入院日数や治療内容、救命率、当然ながら治療費に関してもかなりの差が出ます。多飲多尿は様々な病気のサインとしてとても重要な症状です、気になったらお電話でも構いませんのでまずはこいずみ動物病院 川口ご相談ください。
埼玉県川口市・蕨市のこいずみ動物病院 川口
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